【2026年シーズン総括】得失点差-16で最下位──数字が語る「8勝の取りこぼし」と、竜党が見続けた拙攻の1年

試合レポート

■ 60勝81敗2分、定位置の最下位

2026年の中日ドラゴンズは60勝81敗2分、勝率.426で6位に終わった。5位ヤクルトとは1ゲーム差。シーズン終盤に「いっそ最下位フィニッシュが薬か」と書いたが、本当にその通りになった。悔しさよりも、やはりそうなったかという諦めに近い感情が先に来る。

■ 得失点差-16、本来は68勝できたチーム

数字を見て驚いたことがある。得点478、失点494で、得失点差はわずか-16。リーグ全体で見ても得点は4位、失点は3番目に少ない。この得失点差なら、計算上は68勝前後できるチームだ。

実際は60勝。つまり、およそ8勝を取りこぼしている。

なぜか。答えは今季ずっと書いてきた。点を取った直後に吐き出す「取ったら取られる」。満塁で点が入らない「あと1本」。7回・8回の大量失点。僅差の試合を落とし、大差の試合で無駄に点を取る。勝ち方を知らないチームの典型が、数字にそのまま表れている。

■ 投手陣:防御率3.28は悪くない、しかし終盤が崩れた

チーム防御率3.28はリーグ3位。先発陣は健闘した。高橋宏斗、大野、柳、金丸、マラー。試合は作れていた。

問題は終盤だ。開幕直後から苦しんだ7回・8回の大量失点は、シーズン終盤にも再発した。橋本は後半戦崩れっぱなし。リリーフの層が薄く、代わりの投手がいない。その中で吉田が闘志あふれる投球でセットアッパーとして台頭したのは大きな収穫だった。

金丸には課題が残った。クオリティスタートは数多く記録した一方で、味方が点を取った直後の失点が多すぎた。能力は間違いない。この悪癖を直せるかどうかが来季の中日を左右する。

高橋宏斗はエースの投球を続けながら、打線の援護に恵まれなかった。阪神戦での140球超えには不安も覚えた。来季は勝ち星と同時に、体を守る起用を望みたい。

■ 打線:打率.228、盗塁52はリーグ最少

チーム打率.228はリーグ5位。盗塁52はリーグ最少だ。本塁打121はリーグ3位で、サノー、細川、ボスラー、福永と長打は出た。しかし打率は低く、走れない。ホームランが出なければ点が入らない打線だった。

一線級の投手には手も足も出ず、相手投手が落ちると急に打ち出す。床田、才木、東、田中将大。好投手と当たるたびに沈黙した。

左の大砲がいないことも響いた。阪神の森下・佐藤・大山のような右左右の並びがなく、相手は投手交代に悩まない。上林、川越以外に左の長打者がいない現状は、来季補強の最優先事項だ。

■ 守備:失策最少、それでも「下手」と言わざるを得ない

意外に思うかもしれないが、失策60はリーグ最少だ。数字上、守備は悪くない。

しかし今季何度も書いたように、見ている側の印象はまったく違った。スタートが一歩遅れて捕れる打球が抜ける。無死1・3塁でありえない走塁ミス。投手のフィールディングで相手と差がつく。失策という記録に残らない判断の遅れやミスが、試合の流れを何度も壊した。巨人に14失点した試合は象徴的だった。

■ 収穫:村松と吉田、そして若手

暗いシーズンの中にも光はあった。

最大の収穫は村松開人の一本立ちだ。早打ちが多い打線の中で、球を見極め、状況に応じた打撃ができる。村松がいるとチームが締まる。

吉田のセットアッパー定着、花田と福元の泥臭さ、森駿太の一発。来季につながる芽は確かにある。

■ 課題:采配と起用

一方で、首脳陣の采配には最後まで疑問が残った。周平3番、ボスラー4番、加藤とのセット起用、バントへのこだわり、申告敬遠しない判断。結果を出す選手を外し、結果が出ない選手を使い続けた。若手の入れ替えは残り3試合になってから。遅すぎた。

岡林の扱いも結論が出ないままシーズンを終えた。スーパーサブか、トレードの弾か。オフの判断に注目したい。

■ 総括:8勝の取りこぼしを取り戻せるか

得失点差-16で最下位。この数字は希望でもある。戦力が極端に劣っているわけではない。取りこぼした8勝を取り戻せば、5割に手が届く。

そのために必要なのは、リリーフの整備、左の大砲、走れる打線、そして勝ち方を知っている指揮官だ。新監督には工藤公康の名前が挙がっている。なあなあの空気を壊し、この8勝を取り戻してくれるのか。2027年こそ、最下位という定位置から抜け出してほしい。

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