ドラゴンズ名試合列伝 #002 

ドラゴンズ歴史・回顧

翌日の中日新聞は「恐竜、火を吐く毎回得点」と伝えた ―― 9回「わしが打ってくるわ」

1984年6月29日 大洋ホエールズ vs 中日ドラゴンズ(横浜スタジアム)

あの夜の横浜スタジアムは、中日ファンにとって忘れられない場所になった。1984年6月29日、大洋ホエールズ戦。ドラゴンズは1回の攻撃から得点を重ね、2回、3回、4回……と毎回得点を積み上げていった。8回を終えた時点で、8イニング連続得点。

残るは9回だけだった。

「恐竜、火を吐く毎回得点」― 翌30日付 中日新聞朝刊

全イニング得点という記録がかかった9回、金山はベンチで静かにバットを握った。主力を下げた終盤、点を取るのは容易ではない。そのとき、金山は監督にひと言告げたという。

「わしが打ってくるわ」

もちろん金山はホームランバッターではない。ドラゴンズ在籍10年で19本と、ごくたまに打つ印象しかない。だがその言葉が示すものは、この試合に懸けた気迫そのものだった。チームはその9回にも得点を記録し、1回から9回まで全イニング得点という快挙を達成した。

「毎回得点」は今もプロ野球で稀少な記録だ。1試合9イニングすべてで点を取るには、打線のつながり、走塁、そして相手投手の交代をすべて攻略し続けなければならない。主力を下げた9回でさえ得点したこの日のドラゴンズは、まさに「恐竜が火を吐いた」夜だった。

金山の「わしが打ってくるわ」というひと言は、今もドラゴンズファンの間で語り継がれるエピソードとして残っている。

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