■ 15億円捕手、わずか2年で楽天へ
ソフトバンクの日本一でシーズンが終わり、FA宣言が相次ぐストーブリーグ。そんな中、10月30日に電撃トレードが発表された。巨人の甲斐拓也(33)が楽天に移籍する。
甲斐は2024年に国内FA権を行使し、ソフトバンクから巨人へ移籍した。侍ジャパンでも正捕手を務めた実績を買われ、5年総額15億円(推定)という大型契約だった。しかし2025年は68試合、今季はわずか13試合の出場で2軍暮らしが続いた。契約はまだ3年残っている。それでも巨人は放出を決断した。
楽天では正捕手の太田光がFA権を行使する構えで、その穴埋めとして甲斐に白羽の矢が立った形だ。
■ 塩漬けの巨人が、今回は驚くほど早かった
巨人はこれまで、FAで獲った選手を塩漬けにしてきた球団だ。陽岱鋼、梶谷隆幸。大型契約で獲得しながら活躍できず、それでも契約期間中はチームに置き続けた。お金の無駄遣いと言われても仕方ない例がいくつもある。
それが今回は、ずいぶんと早い決断だった。15億円の契約を残しながら、わずか2年で見切りをつける。今となって振り返れば、甲斐の獲得は大城の評価が低かった阿部監督の要望だったのかもしれない。監督の構想と現場の結果が合わなければ、実績も契約金も関係なく動く。厳しいが、これが勝負の世界の現実だ。
■ 中日にもあった、FA捕手の黒歴史
他人事ではない。中日にも捕手のFA補強で黒歴史がある。
日本ハムからFAで大野奨太を獲得しながら、ほとんど使わなかった。わざわざFAで獲った捕手をなぜ起用しないのか。あれは今でも不思議でならない。
■ 中日の捕手関連は、とにかく後手後手
大野だけではない。木下はFA宣言後に残留し、複数年契約を結んだ。一度放出した加藤は、金銭トレードで呼び戻した。
その場その場で穴を埋めているだけで、長い目で捕手を育てる、見極めるという姿勢が見えない。捕手関連の動きは、特に後手後手の感がある。今季、石伊のリードに不満を書き続けたのも、結局は捕手陣全体の層の薄さが根っこにある。
■ 地元だから、人気だから、にとらわれない見極めを
捕手に限った話ではない。選手の見極めは、地元出身だから、人気があるから、といった理由にとらわれず、厳しく見てほしい。中日は情に流されて決断を先送りにすることが多すぎる。
今回の巨人の甲斐放出を見習え、とまでは言わない。15億円で獲った選手を2年で手放すのは、補強の失敗を認めたということでもある。ただ、勝負の世界の現実として、中日の首脳陣にも受け止めてほしい。結果が出なければ、実績があっても動く。その厳しさがあってこそ、チームは強くなる。
工藤新監督の「一生懸命やらない人は好きじゃない」という言葉とも重なる。中日もようやく、変わる時が来ているのかもしれない。
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