■ 「中日に染まっていない人」が現実味を帯びてきた
先日の次期監督考察で私は「中日に染まったOBは避けよ」と書いた。その中で挙げた工藤公康が、新監督の最有力候補として名前が挙がっている。まだ正式発表ではないが、もし実現すれば、愛知出身でありながら中日でのプレー経験はない人選になる。しがらみのない監督を望んでいた立場からすれば、この方向性は歓迎したい。フロントにも少しは覚悟があるということだろうか。
■ 期待①:投手陣の再建は工藤の専門分野
今季の中日の最大の弱点は何だったか。7回・8回の大量失点、そして固定化した終盤の失点パターンだ。リリーフの整備が急務だと何度も書いてきた。投手出身で、ソフトバンクで強力なブルペンを作り上げた工藤が就任すれば、ここに真っ先に手を入れてくれるはずだ。
橋本の再生、仲地の配置転換、吉田のさらなる成長。投手陣には素材がそろっている。足りなかったのは整備する力だ。
■ 期待②:コーチ陣の顔ぶれで「仲良し人事」を断ち切れるか
工藤の強みは豊富な人脈だ。就任となれば、中日OBで固めた仲良しコーチ陣を一掃し、外から実績あるコーチを連れてこられるかどうか。ここが最初の、そして最大の試金石になる。コーチ陣がまた見慣れた顔ぶれなら、監督が代わっても中身は同じだ。
■ 不安①:ソフトバンクとの財力差
これは前回も書いたが、ソフトバンクと中日では財力が違いすぎる。潤沢な資金、三軍まである育成体制、毎年の大型補強。工藤の実績はその環境があってこそという見方もできる。左の大砲がいない、リリーフが薄い、それを補う補強資金を球団が本当に用意できるのか。監督だけに改革を背負わせても結果は出ない。
■ 不安②:細かい継投と選手の消耗
あえて厳しい点も書いておきたい。ソフトバンク時代の工藤は細かい継投が持ち味だったが、中継ぎの登板過多を指摘されることもあった。浅尾の酷使を経験した竜党としては、ここは注視したい。今季の高橋宏斗の140球超えのような起用が続くなら、それは改革ではなく同じ過ちの繰り返しだ。
■ 不安③:名古屋の閉鎖的な空気との戦い
外から来た改革者に名古屋の空気は優しくない。OB、マスコミ、球団内部。落合監督が結果を出しながらも最後は追われるように去った歴史を、私たちは知っている。工藤が本気で残竜組に大ナタを振るったとき、フロントが最後まで後ろ盾になれるか。問われるのは監督よりもむしろ球団だ。
■ 総評:正式決定、そして最初の3か月で答えが見える
まずは正式発表を待ちたい。そして就任が決まれば、本気度は開幕を待たずに見えてくる。コーチ陣の人選、オフの補強、秋季キャンプでの若手の扱い。この3つで「中日を変える気があるのか」がはっきりする。期待はしている。だが竜党はもう、名前だけで浮かれるほど甘くはない。
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